アルファルファを食べると太る、結石になる
こんな情報が流れていたことがありました。
わたしどもワールドラビットファンクラブにも同じような問い合わせが入ってきていました。
「うちの子はアルファルファ牧草が大好きでティモシーを食べてくれない。結石になったらどうしよう。」
またアルファルファを食べさせると太る、という話もよく聞きます。
これは事実なのでしょうか。
そこでアルファルファ牧草のメリットとディメリットを整理しておきましょう。
【メリット】
① アルファルファはマメ科の植物で牧草の中で最もたんぱく質など栄養価が高くラビットフードの主原料としても使用され、
ほかの牛・馬など畜産動物の飼料としても多用されている牧草です。
②牧草の輸入量ではアルファルファが最も多く輸入され広く利用されています。
③成長期や高齢期、食欲不振時、病後などの体力強化に最も適している。
④嗜好性が高いためティモシーを食べない場合の繊維質供給源として適している。
【ディメリット】
①アルファルファを主食にプラスして食べすぎると太りやすくなる。
②アルファルファを食べすぎると結石になりやすくなる子も稀にいる。
さて、ではおいしくて食べたいとうさぎが言うアルファルファ牧草ですが、どのように食べさせるといいのでしょうか。
また、与える量はどれくらいがいいのでしょうか。
ワールドラビットファンクラブ事務局では1995年くらいからずっと朝晩ティモシー牧草と
アルファルファ牧草を合わせてうさぎに与えています。
いままでに育てたうさぎの数は約70匹。
実際に結石で手術をしたうさぎは1匹でした。確率は1.4%程度。
毛球症の場合はだいたい60%のうさぎが経験するので、他の病気に比べてかなり低いと言えると考えています。
ではなぜ結石になりやすいといううわさが出回るのでしょうか。
それはカルシウムの含有量がティモシーよりも約2倍多いことが原因ではないのでしょうか。
うさぎは余分なカルシウムを尿として排泄しますが過剰な部分が結石になる、ということらしいのです。
要するに過剰に与えなければ構わないのです。
では過剰になりにくいのはどれくらいの量なのでしょうか。
ワールドラビットファンクラブが過去たくさんのうさぎをアルファルファで育てた経験では、
ラビットフードを体重の1%前後、それに加えてティモシーをたっぷり、
アルファルファを朝晩各一握り程度が適切といえるでしょう。
男性の一握りはだいたい20g前後です。
これくらいなら毎日与えてもまったく問題はないと考えています。
太りやすいということに関して。
主食のラビットフードにプラスしてアルファルファ牧草を与える場合、主食は体重の1%以下がいいでしょう。
体重1Kgの子なら1日に10gです。これを朝晩に分けるので朝5g夜5gということになります。
これにティモシー牧草をたっぷり2~3握り程度、アルファルファ牧草をひと握り程度。
この程度にするなら太るということはそんなに気にしなくていいでしょう。
これは実際にわたしたちがここ20数年実践してきた数字なので信頼性があります。
ただし例外があり、ネザーランドドワーフとメスの子たちは少し注意が必要です。
もともと体格が小さなネザーランドドワーフは少しの食事量の増加ですぐに体重に影響が出やすくなります。
体重2Kgのうさぎと1Kgのうさぎでは同じ10gの食事でも2倍の影響が出るのです。
またメスうさぎはこどもを生むという本能により栄養を体に蓄えてしまいがちです。
いったん増えた体重を落とすことは容易ではありません。
こまかく体重管理されることをお勧めします。
いずれにしてもアルファルファ牧草を食べさせると太りやすく、結石になるという情報は偏見で、
要するに与え方を飼い主さんが心得ていればそんなに気にすることはないということになるでしょう。
●栄養分析値
アルファルファ牧草
粗繊維 28%
粗たんぱく質 19%
粗脂肪 2.4%
カルシウム 1.2%
ティモシー牧草
粗繊維 35%
粗たんぱく 8%
粗脂肪 2.5%
カルシウム 0.5%